2020年05月20日
外出自粛で、パックった童話(マスクの王様)を書いてみました。
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むかしむかし、ある国で伝染病が流行り、多くのマスク職人も倒れて、人々の手に渡らなくなり、値段も高くなってしましました。
王様は「これは大変、国民にマスクを配らねば」と思い立ち、家来にマスク作りを命じました。
針も糸も触った事の無い家来達は、自分の毛を縫い込んだり、糸は解けたりのマスクは、返品の山を作りながらも、なんとか王様用のマスクを差し出すと。
王様は、さっそくマスクを付けて、バルコニーに立ち
「洗って使える経済的な、この布マスクを国民に配ります」と、王様の顔にはちょっと小さい様なマスクをしながら、高らかに宣言したのです。
びっくりした家来たちは返品の山から、綺麗なマスクを選びながら、送る準備に入りました。
そのころ、国民は自宅から出れない為、手作りでマスクを作っていたのです。
暫くすると、マスク職人の病も治りはじめ、値段も手頃でお店にも並びだしました。
王様はバルコニーに出て「私が、国民にマスクを配る。と言った事が良い結果を生んだのです」と、ちょっと小さなマスクをして胸をはりました。
すると、手作りマスクを着けた、無邪気な子供が「僕の家には届いていません。王様だけですよ、そのマスクしているのは」と言いました。
王様はちょっと小さなマスクを付けた顔で、周りを見渡すと、マスクを作っていた家来もみな、職人の作ったマスクを着けていましたとさ。